
慶応義塾大学の教授で教育経済学者の中室牧子さんの著書『科学的根拠(エビデンス)で子育て』という本が出版されました。
中室牧子さんは、10年前に「『学力』の経済学」という本で、話題になった方です。
今回出版された本では、『将来しっかり稼ぐ大人になるために子供のころにやっておくべきこと』がデータ分析による科学的根拠をもとに示されています。
教育の専門家が言っていることを、科学的に証明してくれたように感じました。
この本の中で、子供のころにやっておくべきことを3つにまとめると、以下だと感じました。
①3~10歳の間にスポーツをさせる・・・社会性や忍耐力、リーダーシップなどが身につく。就職の面接などで有利に。
②リーダー経験をさせる・・・生徒会長やクラブの部長などは面接で評価されやすい。また、自主性や決断力、人前で話す力、人をまとめる力が身につく。※リーダーシップは、経験をさせるほど能力が高まる。
③音楽や美術に触れる機会を与え、好奇心を刺激する。
以上の3つを意識することで、将来必要な「非認知能力(やり抜く力・自制心・社交性など)」を育むことができる。
また、勉強ができる子に変える方法については、以下のように紹介されています。
①日々の行動を目標に設定すること
「日々の(達成可能な)行動を目標にする」ことで自分でコントロールできるので、意欲がわく(例:毎日15分勉強する、1ページだけ進めるなど)。結果を目標にするのはNG。努力しても結果が出ない可能性があるので、意欲がわかない。
②その行動目標を繰り返して習慣化させる・・・100日繰り返させることが目安。歯磨きのように当たり前になればOK。
③一人ではなく、チームや集団の中で取り組む・・・さぼれない雰囲気の中にいるようにする(例:友達同士で勉強や、塾で勉強する)
そのほかにも、非認知能力の大切さなど、新しい事実や、納得のデータがたくさんありました。ぜひ、保護者の方には読んでいただきたい一冊だと感じています。